みなさん、こんにちは。サニービュー事業部の小寺です。
今日は、Savings Plansについて、お伝えさせていただけばと思います。

コスト削減にご興味ありますか?
リザーブドインスタンスについて、以前ご紹介させていただきましたが
今回はコスト削減サービスの一つ、Savings Plansがテーマです。

リザーブドインスタンスについての過去記事はこちら

Savings Plansとは

AWSインスタンスの一般的な課金方法は「オンデマンドインスタンス」と言われる、利用した時間単位で課金される仕組みです。
Savings Plansとは、1年間または3年間、1時間につき何ドル分AWSを使うという契約をして、対象サービスの料金が割引になる仕組みです。
AWS は、Compute Savings Plans、EC2 Instance Savings Plans、Amazon SageMaker Savings Plansの3種類を提供しています。
さらに、Amazon CloudFront Security Savings BundleというCloudFront向けのSavings Plansの提供もあります。

Amazon EC2を利用している場合は最大で72%、AWS Fargateを利用している場合は最大で52%割引になります。
Savings Plansは、リザーブドインスタンスが対象としているRDS(Relational Database Service)、Redshift、ElastiCacheには適用されません。

支払い方法は、以下の3つに分かれています。

・前払いなし(No Upfront)

前払いなしは、毎月決まったコミット額を支払う方法です。
1時間あたり10USDをコミットとした場合だと、10USD×24時間×30日で7,200USDを毎月支払います。
1ヵ月が31日の場合は、10USD×24時間×31日なので、7,440USDの支払いですね。
割引率は、3つの支払い方法の中では一番低くなります。

・一部前払い(Partial Upfront)

一部前払いは、契約期間である1年または3年間のうち、契約期間分の金額の半額を最初に支払います。
残りの金額を毎月、均等に支払ってきます。
1年契約として、1時間あたり10USDをコミットした場合だと、10USD×24時間×365日÷2=43,800USDを最初に支払います。
残りの43,800USDを12等分し、毎月3,650USD支払います。
割引率は、3つの支払い方法の中では真ん中です。

・全額前払い(All Upfront)


全額前払いは、契約期間である1年または3年間の金額を全て一括で支払います。支払いは利用開始したタイミングで決済されます。
例えば、2022年4月27日に1年間契約で開始すると、1時間あたり10USDコミットした場合だと、10USD×24時間×365日=43,800USDの支払いがその日に発生します。

クレジットカードでお支払いいただいている場合、利用料と一緒ではなく
購入したときが決済日となります。
割引率は、一番高いです。

EC2をメインで使っている方向け、Compute Savings Plans、EC2 Instance Savings Plansとは

・EC2 Instance Savings Plansとは

同じリージョン内のインスタンスファミリーに適用される割引プランです。最大で72%の割引が受けられます。サイズ、AZ、OS、テナンシーには影響されません。同じリージョンであれば、選ばれたインスタンスファミリーの料金を削減することができます。
Windows を実行する c5.xlarge から Linux を実行する c5.2xlarge に移動しても、自動で Savings Plansが適用され割引を受けることができるのです。

購入方法としては、リージョンとインスタンスファミリーを選び、コミット額を決めます。

・Compute Savings Plansとは

インスタンスファミリー、サイズ、AZ、リージョン、OS、テナンシーすべてに対応している柔軟なプランです。最大で66%の割引が受けられます。EC2インスタンスを使った量に対して自動的に割引が適用されます。またEC2インスタンスだけでなく、Fargateおよび AWS Lambdaにも適用されます。

購入方法としては、コミット額を決めれば問題ありません。

・Compute Savings PlansとEC2 Instance Savings Plansと比較する

Compute Savings Plansの方がEC2 Instance Savings Plansと比較すると割引率は安いです。特定のリージョン以外に海外リージョンも利用している、特定のインスタンスファミリーのみの利用ではなく、検証や他のワークロードを実行するのに色々なインスタンスファミリーを使っている場合には
Compute Savings Plansの方が利用されずに余ってしまうリスクが低くなります。ただ、決まったインスタンスファミリーとリージョンで利用されている方は、EC2 Instance Savings Plansをご利用いただく方が良いと思います。

Savings Plansを購入するには

リザーブドインスタンスを購入される場合は、各サービスから「リザーブドインスタンス」または「リザーブドノード」を選択して、購入していました。

Savings Plansでは、Cost Explolerから購入を行います。
リザーブドインスタンスと同様に推奨事項(レコメンデーション)を確認することができます。
左ペインの「Savings Plans」より「推奨事項」を選びます。
Savings Plansのタイプを選び、利用期間、支払い方法、基準とする直近の期間を選びます。
基準とする期間は7日、30日、60日の3つから選ぶことができ、急なEC2の利用増加を考慮したレコメンドを受けることができます。

購入するときは、「Savings Plansの購入」よりSavings Plansのタイプと利用期間を選びます。

購入コミットメントとして、時間単位のコミットメントには、1時間あたりに利用する金額をUSDで入力します。
ここでは、10USDとしていますが、小数点の指定もOKです。

支払いオプションから支払い方法の指定をすると、購入の概要にコストが表示されるので、カートへ追加をクリックします。

その他のSavings Plansの特徴

・リザーブドインスタンスを購入済みの場合は、優先してリザーブドインスタンスが適用され、その後Savings Plansが適用されます。既に購入しているのリザーブドインスタンスが余ってしまい、無駄になることはないです。

・オンデマンド料金と比較して、一番高い割引率となるリソースから適用される
同じ割引率となる場合は、より低いレートのリソースから適用されます

・Savings Plansを購入したアカウントで適用される
組織でリザーブドインスタンス、Savings Plansを共有する設定をすると、余った分が組織内の別アカウントにも適用されます

リザーブドインスタンスとの違いは

リザーブドインスタンスとの違いはどういったところにあるのでしょうか。
一つは同じコスト削減サービスでも、割引を受けるための考え方に違いがあります。

リザーブドインスタンスでは、インスタンスのスペックなどを指定することでその指定にマッチするインスタンスに自動的に割引が適用されます。例えばEC2サービスで「t3.small 1台分の枠を1年間予約する」という形になります。1年または3年で予約する形となり、年数に応じて割引率が設定されるシステムです。なお割引率は、インスタンスの種類(OS、インスタンスファミリー)や支払い方法に応じて変わってきます。

一方でSavings Plansでは、インスタンスのスペックを指定するのではなく、1時間にいくらEC2を利用するのかをコミットします。

これだけでは、終わらないSavings Plans。
次回は、SageMakerやCloudFrontとAWS WAFをご利用の方にもお得な情報をお届けいたします。

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