みなさん、こんにちは。
サニービュー事業部の小寺です。

Amazon Locationサービスについて、聞いたことはありますか。
位置情報を取得するようなアプリケーション構築に携わっている方はもちろんご存じだと思いますが、
先月のアップデートで一意のプレイスIDが利用可能になったので、今日はAmazon Locationについても
お伝えします!

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2022/09/unique-place-ids-amazon-location-service/

位置情報ってどうやって取得しているの?

みなさんもお使いのスマートフォンでご自身のいる位置情報を確認することは、よくあるかと思います。
どうやって位置情報を取得しているかご存じですか。

GIS
地理情報システム(GIS:Geographic Information System)は、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術である。

このGISの重要性が認識されたのは、平成7年1月の阪神・淡路大震災がきっかけとなっています。

平成7年1月の阪神・淡路大震災の反省等をきっかけに、政府において、GISに関する本格的な取組が始まった。その中核となる取組が、国土空間データ基盤の整備である。
ハードウェア、ソフトウェアの低価格化が進み、簡易なGIS導入が可能になる一方で、地図データ等については、電子化されていない、データ仕様が異なり利用できない等の問題があり、GISを導入する主体が、各々整備する必要があり、社会的には二重、三重の投資となる等の問題があった。
このため、GISを高度に活用できる社会の実現のためには、地図情報の電子化のみならず、それを活用していく技術、制度、人材等が必要であり、これらの総体を社会的な基盤としてとらえ、その総合的、体系的な整備を図っていく必要性が認識され始めた。

https://www.gsi.go.jp/GIS/whatisgis.html#:~:text=%E5%9C%B0%E7%90%86%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%EF%BC%88GIS%EF%BC%9AGeographic,%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

そもそもAmazon Location Serviceとは?

Amazon Location Serviceとはデータセキュリティやユーザーのプライバシーが考慮されており、アプリケーションに位置情報機能を追加できるマネージドなサービスです。
Googleでも同様なサービスがあります。例えば、スマートフォンを使っていれば、Google 位置情報サービス(GLS)からロケーション履歴の取得により、アプリやサービス上のユーザーの位置情報を保存しています。

通常、位置情報をアプリケーションに組み込もうとすると、開発時にコストやプライバシーの問題、セキュリティの担保といったことが課題となってきます。
その課題を解決するのが、Amazon Location Serviceです。

Amazon Location Serviceの特徴について、お伝えします。

・プライバシーとセキュリティが担保

ご利用いただくお客様のメタデータとアカウント情報を削除して、データプロバイダーに送信されるすべてのクエリを匿名化します。
機密情報が第三者に漏れることを防ぎ、ユーザーのプライバシーを保護し、アプリケーションのセキュリティリスクを抑えた運用が可能です。
また、Amazon Location Service では、Amazon および第三者は、お客様のデータを販売したり、広告に使用したりする権限がないので、よりセキュアに利用できます。

・高パフォーマンスと低コストでの利用

世界的なプロバイダーである Esri および HERE が作成する高品質な地理空間データを利用できます。
Amazon Location Service を介してデータを取得することで、自社ではトラッキングやジオフェンシングの機能開発は不要で、地理空間データ取得機能があるアプリケーションを低コストで構築できます。

・位置情報データへ簡単にアクセス

フルマネージド型の Amazon Location Service を使うことで、地理空間情報をアプリケーションに統合したり、Amazon Location Service アプリケーションプログラミングインターフェイス (API) を簡単に使うことができます。
利用するための学習用のツールの提供も豊富にあり、Amazon Location Service のバックエンドおよびフロントエンドのソフトウェア開発キット (SDK)、 データの可視化などのタスクのサンプルコード、アセットトラッキング、ジオマーケティング、配送のガイドが使えます。

・すぐに本番利用ができる他AWSとのサービス連携

Amazon CloudFormation、AWS CloudTrail、Amazon CloudWatch、Amazon EventBridge、AWS Identity and Access Management (IAM)、AWS Key Management Service (KMS) と統合されているため、
アプリケーションをまずは試してみるところからから本番でのサービス提供に比較的早く移行できます。

やってみる

Place IDの取得を試してみます。

今回は AWS CLI から利用します。
v1.25.83、v2.8.0 以降で利用が可能で以下の 3 つのコマンドで取得が出来るようになっています。

・search-place-index-for-text
・search-place-index-for-position
・search-place-index-for-suggestions

東京で検索すると
{
“Results”: [
{
“PlaceId”: “AQAAAJEA4Zc_xbnQk-onQTWM2V_HNRloFfakv8w0Eu2kN19K-gKd4WS-1F-kSHuRP8N9Zd0S7-VD_CwvUB-VKSgYBu0Q8-NouSob5PH3nDc9udAMEMbU1Oem9YXf3DXzsxsmv9A3PtV-t2-hVSpFgg1g7tvH2WJkMK5ZW6ricXyqv-Z2sM8gpxmBV-5v_qKhY-nS5cFo7n7E-xKebjROIiEHPQH8dV4J7bmX6nO3lbh3NGxyeqEd”,
“Text”: “東京都東京”
},
{
“PlaceId”: “AQAAAIUApPAg-uzFXTIA0XNoR-IAC1tmw3QTbMaAOeh_JYtyeaEMPzxoF94tKCH28k-dmrJ7IvW18PBLKj0LB9zbemXVeHdn3OuJrVokqzxCjzKfUCX8BJXIu_z7qy_UFpT5vEWyONG0oToT-KTo15QlAvcvM51U3Ri-GO-beZcgQ8Ta2RT2hP228VyHNGACG1qu6OorKsJey7PNoMPV5_xnd2ghbUYf1xUG”,
“Text”: “東京都”
}
],
“Summary”: {
“BiasPosition”: [
-123.54192695879168,
49.267027400082775
],
“DataSource”: “Esri”,
“MaxResults”: 5,
“Text”: “トウキョウト”
}
}

PlaceIDは200文字から300文字くらいあり、何度か検索してみても固定の用でした。

以下が注意事項です。

・PlaceId は、AWS アカウント、AWS リージョン、および PlaceIndex リソースのデータ プロバイダーで一意です。
GetPlace は、これら 3 つの属性が PlaceId を作成した元の呼び出しと一致する場合にのみ結果を返します。

・場所に関するデータが変更されると、その場所の PlaceId が変更されます。たとえば、ビジネスの場所を移動したり、名称が変更になる場合です。

・繰り返される検索呼び出しから返される PlaceId は、バックエンド サービスが更新を行うときに変更される場合があります。
古い PlaceId は引き続き検索されますが、新しい検索呼び出しでは別の ID が返される場合があります。

今回のアップデートのメリットとは

新しい getPlace API と一意の PlaceIDが利用できるようになった本アップデートのメリットは、やはりエンドユーザーが選択した位置の詳細情報が入手でき、
常に一貫した検索エクスペリエンスを提供できます。さらに、一意の場所が特定でき、検索カテゴリをフィルタリングし、関連するエンドユーザーの検索結果をマップに表示できます。 また、getPlace API を使用して位置の緯度と経度の座標を取得し、Amazon Locationのルート計算ツールを使用して移動時間などに関する時間の計算もできるようになります。

対応リージョン

以下のリージョンで利用可能です。
・米国東部 (オハイオ)
・米国東部 (バージニア北部)
・米国西部 (オレゴン)
・欧州 (フランクフルト)
・欧州 (アイルランド)
・欧州 (ストックホルム)
・アジアパシフィック (シンガポール)
・アジアパシフィック (シドニー)
・アジアパシフィック (東京)