みなさん、こんにちは。サニービュー事業部の小寺です。

先月、Amazon Route 53 Application Recovery Controllerの機能が発表されました。従来のRoute53 フェイルオーバーからさらに進化して、リソースの状態も監視してフェイルオーバーを実行することができます。

https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/amazon-route-53-application-recovery-controller/

■Amazon Route 53 Application Recovery Controllerとは

「Amazon Route 53 Application Recovery Controller」は、準備チェックとルーティング制御の2つで構成されており、準備チェックではAWSリソースの構成、容量、ネットワークルーティングポリシーを継続的に監視し、リカバリ操作を実行する機能に影響を与える変更を監視可能で、リカバリ環境が必要に応じて引き継げるようにスケーリングおよび構成されていることが確認できます。

ルーティング制御は、障害時にアプリケーションレプリカ間でトラフィックのバランスを取り直し、アプリケーションを引き続き使用できるようにするのに役立ち、Amazon Route 53のヘルスチェックと連携して、DNS解決を使用してトラフィックをアプリケーションレプリカにリダイレクトします。

■Amazon Route 53 Application Recovery Controllerを理解しよう

Amazon Route 53 Application Recovery Controllerを使ってみるために、いくつかの関連する用語について、理解しておきましょう。以下の図は、フェールオーバー先が準備できていない状態です。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/r53recovery/latest/dg/introduction-components.htmlより引用

・セル
アプリケーションのフェイルオーバーの独立した単位を含むサイロを定義します。

・復旧グループ
フェイルオーバーの準備状況をチェックするアプリケーションまたはアプリケーショングループを表すセルの集合です。復旧グループは、通常、機能面で相互にミラーリングする 2 つ以上のセルで構成されます。

・リソースセット
複数のセルにまたがることができる AWS リソースのセットです。

・準備状況チェック
フェイルオーバーされる一連のAWS リソースの準備状況を検証します。
検証には、AWSリソースのキャパシティ、設定、AWSリソースの上限設定、ルーティングポリシーなどをリソース毎に確認します。

フェールオーバーの準備が整ったら、実際にフェールオーバーがされます。
以下のイメージでは、2つのリージョンにそれぞれ2つのアベイラビリティゾーンのトラフィックでルーティング制御を行います。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/r53recovery/latest/dg/introduction-components.htmlより引用

・クラスター
5 つの冗長リージョンエンドポイントのセットであり、それに対して API コールを実行して、ルーティング制御の状態を更新または取得できます。1 つのクラスターで複数のコントロールパネルとルーティング制御をホストできます。

・ルーティング制御
クラスター上でホストされるシンプルなオン/オフスイッチであり、セル内外のクライアントトラフィックのルーティングを制御するために使用します。ルーティング制御を作成するときは、Route 53 アプリケーション復旧コントローラーでルーティング制御を更新するときにトラフィックを再ルーティングできるように、Route 53 にヘルスチェックを追加します。

・コントロールパネル
関連するルーティング制御のセットをグループ化します。

・安全ルール
意図しないリカバリーを防ぐためのルールです。ルーティング制御でオン/オフの設定でルールが作成できます。

■今までのAmazon Route53のフェールオーバーの機能よりどれだけ便利になったの?

Application Recovery Controller は、障害が発生した場合にほぼダウンタイムなしで、復旧が可能になりました!
Amazon Route53のフェールオーバーの機能のみを利用していた場合、アプリケーションリカバリを管理する際に必要とされていた手動ステップが必要でした。しかし、Application Recovery Controllerを利用すれば、アプリケーションリカバリの実行がしやすくなり、信頼性が向上します。
そのため、例えば、リアルタイム決済処理やトレーディングエンジンなど、極めて高い可用性が求められるアプリケーションの要件にも対応することができるようになりました。

また、今までのRoute53フェールオーバーでは、準備されていないレプリカへのフェイルオーバーやフラッピングの問題などがありました。今回リリースされたApplication Recovery Controllerでは、安全で簡単な手動オーバーライドを可能にし、メンテナンス目的でトラフィックをシフトしたり、モニターが問題を検出できなかった場合に障害から回復したりできるようになります。安全ルールと呼ばれる機能で、今までのフェイルオーバー機能の改善もしています。

■対応リージョン

Amazon Route 53 Application Recovery Controller でサポートされているリージョンの一覧については、AWS リージョン表で詳細をご確認お願いします。

■料金

Amazon Route 53 Application Recovery Controllerは、オンデマンドで課金され、準備チェックごと、クラスタごとに、1時間単位で課金されます。

準備チェック:1時間あたり0.045ドル
クラスタ:1時間あたり2.5ドル

■まとめ

いかがでしたでしょうか。
アプリケーション要件として、高い可用性を求められることも多くあると思います。より便利に安全性が保障されるAmazon Route 53 Application Recovery Controllerを活用していきたいですね。

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