みなさん、こんにちは。サニービュー事業部の小寺です。
昨年のre:Inventで発表されたAWS Mainframe Modernizationが6月にGAになりました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2022/06/aws-mainframe-modernization-generally-available/

今日は、AWS Mainframe Modernizationがどのようなサービスで、活用シーンなどを簡単にご紹介します!

AWS Mainframe Modernizationとは

レガシーアプリケーションをクラウドに移行したいと考える企業は多くあると想定しますが、そのクラウド移行にあたっては長期にわたる移行プロセスを検討、協議、確定していく必要があり、メインフレームアプリケーションの複雑さも含めると、さらに大きな課題となっています。

そんな課題を解決すべく誕生したのが、AWS Mainframe Modernizationです。
メインフレームアプリケーションを AWSへの移行をサポートするサービスです。
オンプレミスのメインフレームを、AWS上のマネージドで可用性の高い環境に迅速に移行ができます。

具体的な移行方法は?

移行パターンとして2パターンが提供されています。
以下の2つの方法でレガシーアプリケーションをAWSへ移行することができます。
(1)リプラットフォーム
(2)自動リファクタリング

それぞれの具体的な移行方法の前に、AWSへの移行における戦略として、5段階の移行プロセスと6つの一般的な移行戦略「6つのR」と呼ばれる考え方があります。

https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/Migrating-to-AWS_Best-Practices-and-Strategies_eBook.pdfより引用


(1)のリプラットフォームも(2)のリファクタリングも「6つのR」と呼ばれる一般的なAWSへの移行戦略に含まれる考え方です。

  1. リホスト(REHOST)
    「リフトアンドシフト」ともよばれています。リホストは既存のアプリケーションやデータベースに変更を加えずに、そのままクラウドへ移行します。
  2. リプラットフォーム(REPLATFORM)
    クラウドへ移行するときに、クラウドの機能活用やアプリケーションなどの最適化を目的として、部分的に最適化を行います。
    アプリケーションのアーキテクチャは変更せず、例としてはデータベースにAmazon RDSを利用する場合などです。
  3. 再購入 (REPURCHASE)
    現在の環境を新しいものに買い替えることで、「使用廃止と購入」とよばれることもあります。
    ライセンスの管理面などから、新しいバージョンを利用したり、SaaSなどの別のソリューションへの移行を行うことことも意味します。
  4. リファクタリング/再設計 (REFACTOR /RE-ARCHITECT)
    アプリケーションの再設計と開発の方法を変更することを意味します。クラウドネイティブの機能を活用することになります。
    OS やデータベースの変更も一般的です。(例 : オンプレミスの Oracle Database を Amazon Aurora PostgreSQL へ移行)
  5. 廃止 (RETIRE)
    移行時に不要と判断されたアプリケーションやデータベースをリタイアすることです。
    移行を検討する際には、移行対象を洗い出し、リスト化し、廃止しても問題のないアプリケーションがあれば、リタイアメントの計画に基づき廃止します。
  6. 保持 (RETAIN)
    移行の準備ができておらず、オンプレミスで保持しておくほうが安心なものがある場合、移行は行わずに元の環境のまま稼働させます。

AWS Mainframe Modernizationでの具体的な2つの移行パターンに話を戻すと、

(1)リプラットフォーム
COBOLとPL/I(ピーエルワン)のアプリケーションを最低限のコード変更のみで、「Micro Focus Enterprise Developer 」と呼ばれる移行ツールを使い、Eclipseベース(JAVA)の環境に移行します。

(2)自動リファクタリング
「AWS Blu Age Refactor 」と呼ばれるツールを使ってリファクタリングがされます。COBOL、PL/1、NATURAL、RPG/400、COBOL/400及びデータベースやデータファイルDB2、DB2/400、VSAM、IMS、IDMSは Angular、Java/Spring、PostgreSQLベースの環境に自動的にリファクタリングされます。
DBでは具体的に、Amazon Aurora、RDS for PostgreSQL、RDS for Oracleなどです。

利用料金

初期費用は不要です。
移行時に(1)のリプラットフォームを選ぶ場合、Micro Focusツールの利用料と分析用のインスタンスの利用料がかかります。
移行時に(2)の自動リファクタリングを選ぶ場合、Blu Ageツールの利用料とテストインスタンスの利用料がかかります。
正式な料金はこちらからご確認をお願いします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここからは所感なのですが、メインフレームと聞くと移行はせずに同じ環境を維持し続けるシステムというイメージがありました。
運用されている方もクラウド移行を考えるよりも、維持することに注力していくシステムだと思っていました。
特にハードウェア等の保守切れなどで、移行を検討するタイミングにある場合、選択肢が増えるのは嬉しいことですね。

AWSをご利用いただくには、直接契約するより断然お得。
AWS利用料が5%割引、さらに日本円の請求書による支払いが可能です!