みなさん、こんにちは。サニークラウド事業部の小寺です。
re:invent2021で発表され、プレビュー状態だったAWS Cloud WANが2022年7月12日(米国時間)にGAになりました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2022/07/general-availability-aws-cloud-wan/

どのようなサービスなのか、どのようなシーンで活用できそうか?をお伝えします!

AWS Cloud WANの特徴

AWS Cloud WANとは、企業がAWSにWANバックボーンを構築できるマネージドWANサービスです。「AWS Direct Connect」「AWS Site-to-Site VPN」やSD-WANなどのサービスを活用し、オンプレミス拠点である企業の本社やその他の事業拠点、海外拠点、データセンターからAWSの複数リージョンにおけるVPCを相互に接続できます。
AWSの内部ネットワークが、グローバルWANバックボーンとして機能するイメージです。 マルチアカウントもサポートされているので、Organizationsの複数のアカウントから AWS Network Manager のグローバルネットワークへの Transit Gateway を登録すればOKです。AWS Cloud WANサービスを起動してみると、まずは「グローバルネットワーク作成」の画面が表示されます。ここから登録を進めていくと後述する、各種のメリットが受けられるようですね。

特徴としては、以下の4つが挙げられます。
1.企業のオンプレミスネットワークとAWSとをシームレスに接続できる
AWS Cloud WANでは自動的に新しいVPCと接続を自動的に追加してくれます。新しい接続設定を手動でその都度追加する必要はありません。
タグ付けをする機能もあり、タグをつけておけば自動的にセグメントへ追加されます。

2.ネットワークをセグメント化してセキュリティを強化できる
AWS Cloud WANでは、オンプレやAWSのサービス療法に対してCloud WANのポリシーを各セグメントに適用ができます。例えば、自社ネットワークから他の支払いサービス用のトラフィックを分離するなどの対応が簡単にできます。
セキュリティポリシーにより、複数のオンプレ拠点やAWSリージョンを接続させる際に、ネットワーク管理を簡単にポリシーはより厳格なものが適用できます。

3.ネットワーク全体を1つのダッシュボードに表示し、一元管理できる
ダッシュボードでは、会社の各拠点、データセンター、VPN接続状況、SD-WANなどのオンプレ環境なども含め、Amazon VPCやAmazon Transit Gatewayを一元管理することができます。ダッシュボード上で接続状況やイベントの確認ができるので、ネットワーク管理者の負担を減らせそうですね。

4.ネットワークポリシーを使用して、サードパーティのSD-WAN製品を介したAmazon VPCとの接続が可能
AWS Cloud WANでは、トラフィックルーティングポリシーを利用することで、SD-WAN製品を介したAmazon VPCとの接続ができます。
例えば、ポリシーに変更をかけるときには、ネットワークのエラーが発生しないよう、ポリシーのチェックができ、その後本番稼働している環境へ変更が適用されます。

どのようなシーンで活用できそう?

AWS Cloud WANは以下のシーンで活用が見込まれます。
1.リージョンをまたいだグローバルネットワークを構築する
各拠点からローカルネットワークプロバイダを介してAWSに接続し、AWSのグローバルネットワークを利用して、自社の各ロケーションをAWSのVPCに接続することで、自社のグローバルネットワークを構築できます。

2.自社のネットワークを拡張する
新たな拠点が追加されたり、VPCなどの新たな接続先を追加したりする日常的なネットワーク業務を自動化できます。
自動化によりネットワーク管理の業務効率がアップし、作業工数の削減ができます。

3.単一のダッシュボードで自社のネットワークを可視化する
自社のあらゆるネットワークのトラフィックを追跡し、ネットワークの状態を把握して、パフォーマンスを向上させたり、ダウンタイムを最小限に抑えるなどの有効な対策を打てるようになります。

料金

料金体系としては、Core network edge、Data processing、Core network edge attachments、Peering connectionsの4つに分かれています。
正確な料金はこちらからご確認ください。

対象リージョン

2022年7月のGA時点では、以下リージョンで利用可能です。

・米国東部 (オハイオ)
・米国東部 (バージニア北部)
・米国西部 (北カルフォルニア)
・米国西部 (オレゴン)
・アフリカ (ケープタウン)
・アジアパシフィック (ムンバイ)
・アジアパシフィック (シンガポール)
・アジアパシフィック (シドニー)
・アジアパシフィック (東京)
・カナダ (中部)
・欧州 (フランクフルト)
・欧州 (アイルランド)
・欧州 (ロンドン)
・欧州 (ミラノ)
・欧州 (パリ)
・欧州 (ストックホルム)
・中東 (バーレーン)