みなさん、こんにちは。サニービュー事業部の小寺です。

「AWS re:Invent 2020」にてプレビューを行った、フルマネージドのHIPAA適合サービス「Amazon HealthLake」の一般提供が7月15日(現地時間)から米国の一部リージョンで開始されました。
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/paging-doctor-cloud-amazon-healthlake-is-now-generally-available/

Amazon HealthLakeとはどのようなサービスかを解説します。

■Amazon HealthLakeとは

HealthLakeは、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠したサービスです。機器の調達やプロビジョニング、管理の必要がないマネージドサービスで、新たなデータストアを作成するだけで、医療関連データの作成、読み取り、更新、削除、クエリが可能になります。
また、REST APIを利用した、ビジネスアプリケーションとの統合がサポートされています。

保存されているデータは、AWS Key Management Service(KMS)によって暗号化されており、AWS 管理キーまたは独自のキーを使用できます。転送中のデータはエンドツーエンドでのTLS 1.2暗号化で保護がされます。

現時点では、臨床ノート、ラボレポート、保険金請求といった構造化テキストデータと非構造化テキストデータの両方をサポートしており、これらのデータの保存形式には、医療関連データを交換するために設計された業界標準形式であるFast Healthcare Interoperability Resource(FHIR)が採用されています。

データの形式を整えて、オンプレミスのシステムからセキュアなクラウドベースのデータレイクへとデータを移行できるようになります。

HealthLakeは機械学習(ML)機能を用いて医療用語や臨床データを分析し、データに対して標準化されたラベルを付与することで検索や分析が簡単にできるようになります。また、HealthLakeは患者の診察などのイベントをタイムラインにインデックス化するので、医療従事者は各患者の病歴などを総合的に確認できる時系列のビューを見ることができます。
診断などの医療情報をリアルタイムで自動的に理解し、抽出することも可能です。さらに、アナリティクス機能やML機能を用いて、新たに構造化されたデータを分析できるようになります。

■ヘルスケアとライフサイエンスでのデータ

AWS re:Invent 2020の発表では、さまざまなフォーマットのデータが数々のリポジトリーに分散していることが障害となっており、データの準備やステージング、加工に何週間、あるいは何カ月もかかっている課題があり、その課題を解決するサービスがHealthLakeとのことでした。

例えば、ヘルスケア領域でのデータについて、考えてみましょう。
データは、カルテや検査結果、保健の請求書、医療用画像、録音された会話、そして時系列データ (例えば、心臓の ECG や脳の EEG のトレース) などが該当します。
そのデータは電子カルテ、検査用システムなどの様々なシステムに分散していることが多く、構造化されていないことが多いため、整理が難しい状況です。病院での診察記録などのレポート、保険請求書などのフォーム、画像スキャンなどの医療記録のデータは、分析を開始する前に準備して正規化する必要があります。

■HealthLakeのデータを分析する

HealthLakeに集めたデータを他のAWSサービスを使い、分析することもできます。HealthLakeのデータをエクスポートし、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットに保存し、分析や 機械学習のタスクに使用できます。
例えば、AWS Glue を使用してデータを変換し、 Amazon Athena でクエリを実行し、 Amazon QuickSight で視覚化できます。このデータを使用して、 Amazon SageMaker で 機械学習モデルを構築、トレーニング、デプロイすることもできます。

■HealthLakeの活用例

HealthLakeの活用に役立つ場面を考えてみましょう。
例えばHealthLakeは、自然言語理解とオントロジーマッピングを活用して、患者が適切に薬を処方されているかどうかを識別し、血糖値監視システム、医師のメモ、保険のフォーム、検査報告書などから情報を引き出し、結果を通知することができます。
データは継続的に読み込まれ、標準的な方法でクエリや検索を行ったり、Amazon SageMakerにインポートしてモデルを訓練し、糖尿病患者数の前年比などのメトリクスを予測したりすることが可能です。

■対応リージョン

米国東部(バージニア北部、オハイオ)、米国西部(オレゴン)のリージョンで利用できます。

■まとめ

いかがでしたでしょうか。

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