今回は IT 資格の中でも非常に人気が高い AWS 認定資格についてふれていきます。ご自身のキャリアアップまたはワークシフトのひとつの要素としていかがでしょうか。
先が見えない今の時代だからこそ、継続的に専門技能を研磨していくことは有益である可能性が高いです。ぜひ、今回は AWS 認定資格について学んでいきましょう。

  1. AWS 認定資格(AWS Certification)とは
  2. AWS の資格体系
  3. 基礎コース(初級)
  4. アソシエイト(中級)
  5. プロフェッショナル(上級)
  6. 専門知識認定資格(上級)
  7. 理想的な資格取得順序
  8. AWS 認定資格の有効期限
  9. 最後に

■ 1. AWS 認定資格(AWS Certification)とは

AWS 認定資格は、クラウドの専門知識についての AWS 公式試験です。
AWS が提供するクラウドサービスについて体系的に理解を深めることができ、AWS に関するスキルを習得したい方にとって、実務経験を積む以外にも大変有効な手段といえます。

■ 2. AWS の資格体系

役割や専門分野ごとに、複数の認定資格が設定されており、難易度によって “基礎” “アソシエイト” “プロフェッショナル” の3つのレベルに分けられます。
“アソシエイト” と “プロフェッショナル” は、さらに「アーキテクト・運用・開発者」の3つのバッジで役割ごとに分けられています。

参考:https://aws.amazon.com/jp/certification/?nc2=sb_ce_co

■ 3. 基礎コース(初級)

AWS 認定資格の中で、最も基礎的な内容が問われます。まずはこちらの取得を目指すのが良いでしょう。

[クラウドプラクティショナー(AWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C01))]

  • 概要
    ・クラウドへの理解と基礎的な AWS の知識が認定されます。
    ・他の認定資格を受けるためのベースとなる基礎知識が身につきますので、まずはこちらの学習から始めましょう。
  • 受験対象者
    ・AWS クラウドに6ヶ月間触れている
    ・AWS クラウドの設計、実装、運用に関わった経験
  • 必要な知識
    ・IT サービスの基礎知識
    ・AWS クラウドサービスの使用に関する基礎知識
    ・AWS クラウドのコンセプト
    ・AWS クラウド内のセキュリティとコンプライアンス
    ・AWS の中核サービスについての理解(ユースケース、課金、料金モデル、セキュリティコンセプト)
  • ・AWS クラウドがビジネスに与える影響について

■ 4. アソシエイト(中級)

1 年以上の実務経験者が対象の、中級者向けの試験です。いずれの試験も、実務経験 1 年以上の方を対象に作成されていますが、実務経験がなくても受験は可能です。
役割ごとに「アーキテクト・運用・開発者」の3つのバッチに分けられています。 

[ソリューションアーキテクト(AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA-C02))]

  • 概要
    ・AWS 上で分散システムを設計、実装する能力を認定する資格です。
    ・組織においてAWSクラウドの実装をリードするスキルを持つことを証明する資格です。
  • 受験対象者
    ・AWS のサービスを使用した、セキュリティ、パフォーマンス、コスト効率、可用性に優れたスケーラブルなシステムの設計に関する1年以上の実務経験
  • 必要な知識
    ・AWS のコンピューティング、ネットワーキング、ストレージ、管理、データベースサービスを使用した実務経験
    ・提示された技術的要件を満たす AWS のサービスを特定し、AWS ベースのアプリケーションの技術的要件を定義する能力
    ・AWS マネジメントコンソールおよび AWS コマンドラインインターフェイス (CLI) に関する理解
    ・適切に設計されたソリューションを AWS で構築するためのベストプラクティスに関する理解
    ・AWS のグローバルインフラストラクチャに関する理解
  • 従来のサービスに関連する AWS のセキュリティサービスと機能に関する理解

[SysOps アドミニストレーター(AWS Certified SysOps Administrator – Associate(SOA-C02))]

※ 2021/07/27 より有効

  • 概要
    ・AWS 上でのデプロイ、管理、オペレーションの経験を証明する、システム管理者向けの資格です。
  • 受験対象者
    ・システム運用管理者(システムアドミニストレーター)
    ・AWS でのデプロイ、管理、ネットワーク、セキュリティに関しての1年以上の経験
  • 必要知識
    ・オペレーションの役割を担うシステムアドミニストレーターとしての 1~2 年の経験
    ・モニタリング、ロギング、およびトラブルシューティングの経験
    ・ネットワークの概念 (DNS、TCP/IP、ファイアウォールなど) に関する知識
    ・アーキテクチャの要件を実装する能力 (高可用性、パフォーマンス、キャパシティーなど)
    ・AWS でのワークロードのデプロイ、管理、および運用に関する経験
    ・AWS Well-Architected Framework に関する理解
    ・AWS マネジメントコンソールと AWS CLI の実践経験
    ・AWS ネットワークとセキュリティサービスに関する理解
  • セキュリティコントロールとコンプライアンス要件の実装に関する実践経験

[デベロッパー(AWS Certified Developer – Associate (DVA-C01))]

  • 概要
    ・AWSクラウドベースのアプリケーションを開発、デプロイ、デバッグする能力を認定する、開発者向けの資格です。
  • 受験対象者
    ・開発者
    ・AWSベースのアプリケーションの開発や保守における1年以上の実務経験
  • 必要知識
    ・1つ以上の高水準プログラミング言語についての詳細な知識
    ・アプリケーションライフサイクル管理に関する理解
    ・サーバーレスアプリケーション用のコードを記述する能力
    ・開発プロセスでのコンテナの使用に関する理解
    ・推奨される AWS に関する知識
    ・AWS のサービスの API、CLI、ソフトウェア開発キット (SDK) を使用してアプリケーションを記述する
    ・AWS のサービスの主要な機能を特定する
    ・AWS の責任共有モデルを理解する
    ・継続的インテグレーションと継続的デリバリー (CI/CD) パイプラインを使用してアプリケーションを AWS にデプロイする
    ・AWS のサービスを使用し、やり取りする
    ・クラウドネイティブアプリケーションの基礎知識を応用してコードを記述する
    ・AWS セキュリティのベストプラクティスを利用してコードを記述する (例えば、コード内のシークレットキーとアクセスキーの代わりに IAM ロールを使用する)
  • AWS でコードモジュールを作成、保守、デバッグする

■ 5. プロフェッショナル(上級)

2年以上の実務経験者が対象の、上級者向けの試験です。こちらも、アソシエイトと同じく、実務経験がなくても受験は可能です。アソシエイトとプロフェッショナルの試験の違いは、試験範囲の広さや難易度です。

[ソリューションアーキテクト(AWS Solutions Architect – Professional (SAP-C01))]

  • 概要
    ・AWS プラットフォームで分散型のアプリケーションやシステムを設計するための受験者の高度な技術スキルと経験が検証されます。
  • 受験対象者
    ・AWS でのクラウドアーキテクチャの設計とデプロイに関する2年以上の経験
  • 必要知識
    ・AWS で、動的なスケーラビリティ、高可用性、耐障害性、信頼性を備えたアプリケーションを設計し、デプロイする
    ・提示された要件に基づくアプリケーションの設計とデプロイに適した AWS のサービスを選択する
    ・AWS で複雑な多層アプリケーションを移行する
    ・AWS でエンタープライズ規模のスケーラブルな運用を設計し、デプロイする
    ・コストコントロール戦略を導入する
    ・クラウドアプリケーション要件を評価し、AWS でアプリケーションの実装、デプロイ、プロビジョニングを行うためのアーキテクチャを提案する能力
    ・AWS CLI、AWS API、AWS CloudFormation テンプレート、AWS 請求コンソール、AWS マネジメントコンソールについての知識
    ・AWS Well-Architected フレームワークの 5 本の柱を説明し適用する
    ・主要な AWS テクノロジー (VPN、AWS Direct Connect など) を使用して、ハイブリッドアーキテクチャを設計する
    ・スクリプト言語についての知識
    ・Windows および Linux 環境についての知識
    ・継続的インテグレーションおよびデプロイのプロセスを設計する
    ・ビジネス目標をアプリケーション要件とアーキテクチャ要件に反映させる
  • AWS の主要テクノロジーを使用してハイブリッドアーキテクチャを設計する

[DevOpsエンジニア(AWS Certified DevOps Engineer – Professional(DOP-C01))]

  • 概要
    ・アプリケーションの運用と開発
  • 受験対象者
    ・AWS 環境のプロビジョニング、運用、管理において2年以上の経験を持つ、DevOps エンジニア担当者
    ・1種類以上の高水準プログラミング言語でのコード開発の経験
  • 必要知識
    ・AWS で継続的デリバリーのシステムと手法を実装して管理する
    ・セキュリティコントロール、ガバナンスプロセス、コンプライアンス検証を実装し、自動化する
    ・AWS でのモニタリング、メトリクス、ログ記録システムを定義し、デプロイする
    ・高可用性、スケーラビリティ、自己修復機能を備えたシステムを AWS プラットフォームで実装する
    ・運用プロセスを自動化するためのツールの設計、管理、維持を行う
    ・高度に自動化されたインフラストラクチャの構築経験
    ・オペレーティングシステムの管理経験
  • 最新の開発および運用のプロセスと方法論に対する理解

■ 6. 専門知識認定資格(上級)

いずれも AWS での実務経験が 2 年以上あり、かつ当該分野で 5 年以上の経験がある担当者が想定されています。こちらも実務経験がなくても受験は可能です。
2021 年 9 月時点で、以下の 5 種類が用意されています。

参考:https://aws.amazon.com/jp/certification/?nc2=sb_ce_co

1) アドバンストネットワーキング
2) データアナリティクス
3) セキュリティ
4) 機械学習
5) データベース

専門知識認定資格では AWS に関する知識以外に、当該の分野に関する深い知識も必要になってきます。例えば、アドバンストネットワーキングの専門知識では、AWS のネットワークアーキテクチャに関する知識、オンプレミスと AWS の接続、ネットワークセキュリティなどの分野から出題されますが、AWS の知識だけでなく VPN や BGP といったネットワークの基本的な知識も必要となります。

■ 7. 理想的な資格取得順序

まずは、クラウドプラクティショナー試験を受けて、基礎的な知識を習得しましょう。その後、それぞれが目指す目標に向けて試験を受けて行く流れがおすすめです。ただし、中級レベルに位置するアソシエイト試験の中では、ソリューションアーキテクトが最もベーシックな内容となっていますので、SysOpsアドミニストレーターやデベロッパーの資格取得を目指す方も、まずはソリューションアーキテクト試験の学習から始めるのが良いでしょう。

また、プロフェッショナル試験の難易度はかなり高く、合格するにはそれなりの実力が必要です。実務経験を積むことも必須ですが、資格取得の順序としては3つのアソシエイト試験のどれか 1 つに合格した後、試験内容に慣れた後に、プロフェッショナル試験に挑戦するのがおすすめです。プロフェッショナル試験の内容は幅広く、下位レベルの試験内容と重複する箇所もあるため、効率的に学習できるでしょう。

■ 8. AWS 認定資格の有効期限

AWS 認定資格には 3 年の有効期限があります。その理由は AWS のサービスは、短期間で頻繁にアップデートされるためです。資格取得者であってもこれらのアップデートをキャッチアップするため、継続して勉強することが必要となります。

■ 9. 最後に

AWS 認定の資格を取得する事で、ご自身のスキルを客観的に証明することができます。
キャリアアップなどを目的に、ぜひ AWS 認定資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

SunnyCloudはAWS認定資格保持者によるプロフェッショナルサービスを提供しています。

AWSをご利用いただくには、直接契約するより断然お得。
AWS利用料が5%割引、さらに日本円の請求書による支払いが可能です!