こんにちは!SunnyPay事業部の磯野です!
AWSコスト削減に取り組もうとしたとき、最初に迷いやすいのが「何から始めるべきか」です。
不要なリソースを削除する、インスタンスサイズを見直す、RI/SPを購入する、予算アラートを設定するなど、AWSコスト削減にはさまざまな方法があります。しかし、思いついた施策から順番に進めればよいとは限りません。
効果がありそうな施策でも、自社の利用状況に合っていなければ期待した削減につながらない場合があります。また、影響範囲を確認せずにリソースを止めてしまうと、業務に支障が出る可能性もあります。
この記事では、AWSコスト削減を始めるときに押さえておきたい見直しの優先順位を解説します。
この記事の結論
AWSコスト削減は、思いついた施策から始めるのではなく、利用実態の把握から進めることが重要です。 まずは、誰が使っているのか分からないリソースや、用途が不明なコストを確認し、そのうえで停止・削除できるもの、サイズや構成を見直せるもの、RI/SPなど契約面で最適化できるものを順番に整理します。 削減効果だけを優先するのではなく、業務への影響を確認しながら、継続的に見直せる仕組みを作ることが大切です。
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AWSコスト削減は「削れるところ探し」から始めない
AWSコスト削減というと、まず「どこを削るか」に目が向きがちです。
しかし、最初に行うべきことは、削減対象を探すことではなく、現在の利用状況を整理することです。
どのサービスに費用がかかっているのか、どのアカウントや部門で増えているのか、どのリソースが業務に必要なのかを把握しなければ、適切な判断はできません。
AWS Well-Architected Frameworkのコスト最適化でも、単に費用を下げるだけでなく、支出と使用状況の把握、費用対効果の高いリソース選定、需要に応じた管理、継続的な改善が重要な観点として示されています。
AWSコスト削減の見直しは、次の順番で進めると整理しやすくなります。
| 優先順位 | 確認すること |
| 1 | 利用実態が分からないコストを把握する |
| 2 | 停止・削除できる可能性があるものを確認する |
| 3 | サイズや構成を見直せるものを探す |
| 4 | RI/SPなど契約面の最適化を検討する |
| 5 | 継続的に見直す仕組みを作る |
優先順位1:利用実態が分からないコストを把握する
最初に確認したいのは、利用実態が分からないコストです。
AWSの利用が長くなると、誰が作成したのか分からないリソースや、現在も必要か判断できない環境が残ることがあります。こうしたリソースは、すぐに不要と決めつけるのではなく、まず所有者や用途を確認します。
利用目的が明確でないリソースを洗い出すことで、削減候補を見つけやすくなります。また、リソースの管理者や利用部門を明確にすることで、今後のコスト管理にもつながります。
優先順位2:停止・削除できる可能性があるものを確認する
次に、停止や削除ができる可能性があるリソースを確認します。
たとえば、開発や検証で一時的に使った環境、古いスナップショット、使われていないストレージ、不要になったログなどは、見直し候補になることがあります。
ただし、削除や停止を行う前には、必ず影響範囲を確認する必要があります。名前だけでは不要に見えるリソースでも、実際にはバックアップや障害対応に使われている場合があります。
AWSコスト削減では、スピードだけでなく安全性も重要です。削除できるかどうかを判断する前に、利用目的と依存関係を確認しましょう。
優先順位3:サイズや構成を見直せるものを探す
不要なリソースの確認と並行して、サイズや構成の見直しも検討します。
インスタンスやデータベースが必要以上のスペックで稼働している場合、適切なサイズへ変更することでコストを抑えられる可能性があります。また、常時稼働が不要な環境であれば、稼働時間を見直すことも選択肢になります。
ただし、スペックを下げる場合は、性能や安定性への影響を確認する必要があります。単純に安い構成へ変更するのではなく、業務に必要な性能を満たせるかを見ながら判断しましょう。
優先順位4:RI/SPなど契約面の最適化を検討する
利用量が安定しているリソースがある場合は、RI/SPなどの契約面の最適化を検討できます。
Savings Plansは、一定量のコンピューティング使用量を1年または3年でコミットすることで、オンデマンド料金より低い料金を利用できる料金モデルです。AWS公式ドキュメントでも、Cost Explorerの推奨事項やレポート、予算アラートを活用して管理できるとされています。
ただし、RI/SPは購入して終わりではありません。将来的な構成変更や利用量の変化を考慮せずに契約すると、想定した効果が出にくい場合があります。まずは利用状況を整理し、安定して使い続ける見込みがあるかを確認しましょう。
優先順位5:継続的に見直す仕組みを作る
AWSコスト削減は、一度実施して終わりではありません。
新しい環境の追加、アクセス増加、構成変更、データ量の増加などにより、AWSコストは継続的に変動します。そのため、月次でコストを確認するルールや、予算アラートを設定する仕組みが必要です。
AWS Budgetsでは、サービスごとの支出上限を設定し、設定したしきい値に近づいたり超過したりした場合にアラートを受け取れます。こうした仕組みを使うことで、想定外のコスト増加に気づきやすくなります。
まとめ(編集後記)
AWSコスト削減は、思いついた施策から始めるのではなく、優先順位を整理して進めることが大切です。
まずは利用実態が分からないコストを把握し、停止・削除できる可能性があるものを確認します。そのうえで、サイズや構成の見直し、RI/SPなど契約面の最適化、継続的な管理ルールの整備へ進めると、無理なく見直しやすくなります。