Amazon FSx for Windows ファイルサーバー(以下、FSx for Windows)は、AWSがフルマネージドサービスで提供するファイルサーバーになります。
今回はAmazon WorkSpacesで利用するファイルサーバーとして、とても有効なこのサービスをおススメしてみたいと思います。

FSx for Windowsのなにがおススメなのか?

なんと言ってもフルマネージドサービスです

フルマネージドなので運用の手間がかかりません!!
OS・ソフトウェアの管理、バックアップもAWSにおまかせです。
バックアップも設定した時間で毎日、自動で取得されます。
バックアップからのリカバリも、2クリックで完了する手軽さになります。

冗長化もお手軽です

普通のWindowsサーバーで構築したファイルサーバーを冗長化しようとすると、2台のWindowsサーバーを用意して、冗長化方式を設計して、場合によっては冗長化用のミドルウェアを導入してと、かなりの手間がかかることになります。
FSx for Windowsなら構築時にMulti-AZを選択するだけです。

データ重複排除機能が効きます

Windowsサーバーやストレージアプライアンスでも一般的となっているデータ重複排除機能ですが、もちろんFSx for Windowsでも同機能が搭載されています。
なにがスゴイかと言うと、FSx for Windowsの場合はその高い排除率です。
弊社で実験した限りでは、AWSのドキュメントに「一般的に、汎用ファイル共有で平均 50~60%、ユーザードキュメントで 30~50%、ソフトウェア開発データセットでは 70~80% の節約が可能です。」と書かれている通り、平均して40%程度の節約ができることを確認しています。

バックアップが堅牢

自動で取得されるバックアップですが、そのバックアップデータの保存先はS3となっています。
S3もAWSが提供するストレージサービスですが、その最大の特徴は99.999999999%(イレブンナイン)を誇る耐久性です。

FSx for Windowsに弱点は無いのか?

おススメばかりを書いてきましたが、FSx for Windowsにも弱点と言うべきところはあります。

AWS ストレージの拡張ができない

このコラムを執筆時点では、FSx for Windowsにはストレージを拡張する機能がありません。
しかし、これはWindowsの機能であるDFSを利用することである程度は補えますが、そのためには複数のFSx for Windowsを用意してDFSの設定・運用をすることになります。
これにより、フルマネージドサービスで運用の手間を省くためFSx for Windowsを利用するのに、逆に手間をかけるといった事態に。

ファイルアクセス監査機能が無い

このコラムを書いている2020年1月現在、ファイルアクセス監査機能が実現されていません。
レベルの高い機密情報を扱う企業ではファイルへアクセスの監査が求められる場合がありますが、現時点ではFSx for Windowsでは前述の通り監査機能が無いため、採用は難しくなると思います。
AWSもファイルアクセス監査機能が無いことにより、導入が難しい企業が存在していることは認識しているので、将来的な対応を期待するほかありません。

まとめ

ストレージそのものの拡張ができない監査機能が無いといった点はありますが、フルマネージドサービスであるFSx for Windowsは手軽な利用と高い可用性を実現できるWindowsファイルサーバーとして、とても有効であると言えます。
WorkSpacesからの利用だけでなく、オンプレミスからの利用でもとてもおススメできるサービスとなっています。