こんにちは!SunnyPay事業部の磯野です!
AWSコスト削減を考えるとき、RI/SPの活用を検討する企業は少なくありません。
RI/SPは、一定の利用を前提に割引を受けられるため、利用状況が合えばコスト削減につながる可能性があります。一方で、利用状況を十分に確認しないまま契約すると、想定したほどの効果が得られない場合もあります。
RI/SPを検討する前に大切なのは、「どれくらい安くなるか」だけを見ることではありません。自社のAWS利用量が安定しているか、今後の構成変更予定があるか、契約後に利用状況を追える体制があるかを確認することです。
この記事では、RI/SPを検討する前に確認したいAWS利用状況を解説します。
この記事の結論
RI/SPはAWSコスト削減に有効な選択肢ですが、購入前に自社の利用状況を確認することが重要です。 特に、対象リソースの利用量が安定しているか、今後の構成変更や移行予定がないか、オンデマンドとして残すべき変動分がないかを確認する必要があります。 また、不要リソースや過剰スペックが残ったままRI/SPを購入すると、本来削減できたはずの利用量まで契約の前提にしてしまう可能性があります。まずはAWS利用状況を整理したうえで、安定して使い続ける部分に対してRI/SPを検討しましょう。
\ RI/SPの購入判断に迷っている方へ /
RI/SPは「買えば終わり」ではない
RI/SPは、AWSコスト削減の有効な選択肢の一つです。
RI(Reserved Instances)は、特定のインスタンス利用を一定期間前提とすることで、オンデマンド料金より低い料金を利用できる購入オプションです。
一方、Savings Plansは一定量のコンピューティング使用量をコミットする料金モデルで、対象や柔軟性に違いがあります。
Savings Plansは、一定量のコンピューティング使用量を1年または3年でコミットすることで、オンデマンド料金より低い料金を利用できる仕組みです。Compute Savings Plansは、特定のインスタンス構成ではなく、一定のコンピューティング使用量に対して柔軟に適用できる料金モデルとして説明されています。
ただし、RI/SPは契約を伴うため、現在の利用状況だけでなく、将来の変更可能性も考える必要があります。購入後に利用量が減ったり、構成が大きく変わったりすると、想定していた効果が出にくくなる場合があります。
確認1:対象サービスの利用量は安定しているか
最初に確認したいのは、対象となるリソースの利用量が安定しているかです。
一時的なキャンペーン、短期プロジェクト、負荷試験などで利用量が増えているだけの場合、その利用量を前提にRI/SPを契約すると、後から余る可能性があります。
一方で、本番環境として継続的に稼働しているリソースや、長期的に利用が見込まれるワークロードであれば、RI/SPの検討対象になりやすいです。
過去数か月から1年程度の利用傾向を確認し、継続的に使っている部分と、変動が大きい部分を分けて整理しましょう。
| 利用状況 | RI/SP検討の方向性 |
| 本番環境として継続的に稼働している | 検討対象になりやすい |
| 利用量が毎月大きく変動している | 慎重に判断する |
| 短期プロジェクトや負荷試験で一時的に増えている | 契約前提にしない方がよい |
| 今後構成変更や移行予定がある | 変更後の利用量を見て判断する |
確認2:今後の構成変更や移行予定はないか
次に、今後の構成変更や移行予定を確認します。
システム更改、インスタンスタイプの変更、リージョン変更、コンテナ化、サーバーレス化、アプリケーション統廃合などの予定がある場合、現在の利用状況が今後も続くとは限りません。
RI/SPは将来の利用を前提に考えるものです。現時点で利用量が多くても、数か月後に構成が変わる予定があるなら、契約内容を慎重に検討する必要があります。
購入前には、インフラ担当者だけでなく、アプリケーション担当者や事業部門とも変更予定を確認しておくと安心です。
確認3:オンデマンド利用として残すべき部分はないか
すべての利用をRI/SPで固定する必要はありません。
AWSの利用には、安定して継続する部分と、短期間だけ増減する部分があります。変動が大きいワークロードまで契約で固定してしまうと、利用実態と契約が合わなくなる場合があります。
そのため、安定利用分はRI/SPを検討し、変動分はオンデマンドとして残すなど、バランスを取ることが重要です。
AWSコスト削減では、割引率だけでなく、柔軟性も判断材料になります。
確認4:契約後に利用状況を追える体制があるか
RI/SPは、購入後の管理も重要です。
契約した利用量がどの程度使われているか、想定通りに適用されているか、今後追加購入が必要かを継続的に確認する必要があります。
AWS Cost Optimization Hubでは、AWSアカウントやリージョンをまたいでコスト最適化の推奨事項を統合・優先順位付けでき、RI/SPなどの条件も考慮して推奨事項を比較しやすくする機能が提供されています。
こうした機能を活用する場合でも、誰が定期的に確認するのか、どのタイミングで見直すのかを決めておくことが大切です。
確認5:RI/SP以外の見直し余地も確認する
RI/SPを検討する前に、不要リソースや過剰スペックの見直しも行いましょう。
不要なリソースが残っている状態でRI/SPを購入すると、本来削減できたはずの利用量まで前提にしてしまう可能性があります。まずは使っていないもの、過剰なもの、利用目的が曖昧なものを整理し、そのうえで安定利用分に対してRI/SPを検討する流れが望ましいです。
RI/SPは、AWSコスト最適化の一部です。全体の利用状況を整理したうえで判断しましょう。
まとめ(編集後記)
RI/SPはAWSコスト削減に役立つ選択肢ですが、購入前の確認が重要です。
対象サービスの利用量が安定しているか、今後の構成変更予定がないか、オンデマンドとして残すべき部分がないか、契約後に利用状況を追える体制があるかを確認しましょう。
また、RI/SPを検討する前に、不要リソースや過剰スペックの見直しを行うことで、より現実的な判断がしやすくなります。