こんにちは!SunnyPay事業部の磯野です!
AWSコスト最適化は、一度実施して終わりではありません。
不要リソースを削除したり、インスタンスサイズを見直したりしても、その後に新しい環境が追加されれば、再びコストは変動します。利用量の増加、構成変更、データの蓄積、部門ごとの利用拡大などにより、AWSコストは継続的に変わっていきます。
そのため、AWSコストを適正に管理するには、定期的に確認する運用ルールが必要です。
この記事では、AWSコスト最適化を継続するために必要な運用ルールを解説します。
この記事の結論
AWSコスト最適化は、一度削減施策を実施して終わりではありません。新しい環境の追加、構成変更、データ量の増加などによって、AWSコストは継続的に変動します。 そのため、月次レビュー、リソース所有者の明確化、タグや命名規則の整備、予算アラートの設定、削減判断基準の作成など、定期的に確認できる運用ルールを整えることが重要です。 コストを下げるだけでなく、増加に早く気づき、必要なコストと見直すべきコストを判断できる状態を作りましょう。
\ AWSコスト管理の運用ルールを整えたい方へ /
AWSコスト最適化は継続的な取り組み
AWSのコスト最適化は、継続的な改善プロセスです。
AWS Well-Architectedのコスト最適化ピラーでも、ワークロードのライフサイクル全体を通じて継続的に改善していく考え方が示されています。設計時だけでなく、運用中もコストを意識した見直しが必要です。
一度コストを下げても、運用ルールがなければ、時間の経過とともに再び費用が増えてしまう可能性があります。大切なのは、コストを下げることだけでなく、増加に気づける状態を作ることです。
継続運用で必要な6つのルール
| ルール | 目的 |
| 月次レビュー | コスト増加に定期的に気づく |
| 所有者の明確化 | 不明リソースを減らす |
| タグ・命名規則 | 部門別・プロジェクト別に費用を追う |
| 予算アラート | 想定外の増加を早めに検知する |
| 判断基準 | 場当たり的な削減を避ける |
| 改善サイクル | 確認・実行・振り返りを継続する |
ルール1:月次でコストレビューを行う
まず設定したいのが、月次のコストレビューです。
毎月、総額、前月比、サービス別、アカウント別、部門別、プロジェクト別などの観点でコストを確認します。前月から大きく増えている項目があれば、その理由を確認します。
月次レビューでは、削減対象を探すだけでなく、必要なコストを説明できるようにすることも重要です。事業成長に伴う増加なのか、見直しが必要な増加なのかを整理することで、社内説明もしやすくなります。
ルール2:リソースの所有者を明確にする
AWSコストが管理しづらくなる原因の一つが、リソースの所有者が分からなくなることです。
誰が作成したのか、どのシステムで使っているのか、現在も必要なのかが分からないリソースは、削除判断が難しくなります。
リソースの所有者、利用目的、環境区分を明確にしておくことで、コスト見直しの際に確認しやすくなります。新しいリソースを作成するときに、担当者や用途を記録するルールを設けておくとよいでしょう。
ルール3:タグや命名規則を整える
部門別やプロジェクト別に費用を把握するには、タグや命名規則の整備が重要です。
タグが適切に付与されていないと、どの部門やプロジェクトで費用が発生しているのか分かりにくくなります。その結果、コストの説明や改善の優先順位付けに時間がかかります。
タグは、部門、プロジェクト、環境、本番・検証、担当者など、自社の管理に必要な単位で設計します。最初から完璧に整えるのが難しい場合でも、まずは主要なアカウントや高額なサービスから整備すると進めやすくなります。
ルール4:予算とアラートを設定する
コスト増加に早く気づくためには、予算とアラートの設定も有効です。
AWS Budgetsでは、コストや使用量、予約の利用率やカバレッジに基づいて予算を設定できます。定期的に予算を設定しておくことで、想定外の増加に気づきやすくなります。
アラートを設定しておけば、月末に請求額を見て初めて気づくのではなく、途中の段階で対応を検討できます。特に、複数部門や複数プロジェクトでAWSを利用している場合は、早期検知の仕組みが重要です。
ルール5:削減施策の判断基準を決める
コスト削減を継続するには、削減施策の判断基準も必要です。
どの程度の金額差があれば見直すのか、どのリソースは停止候補にするのか、RI/SPを検討する利用量の基準はどうするのか、といった基準を決めておくと、場当たり的な対応を避けやすくなります。
たとえば、月額で一定以上の増加があった場合に確認対象にする、一定期間使われていないリソースを停止候補にする、利用量が安定しているワークロードだけRI/SPの検討対象にする、といった基準を決めておくと判断しやすくなります。
判断基準がないと、担当者ごとに対応が変わったり、毎回ゼロから検討したりすることになります。明確なルールを作ることで、継続的なコスト最適化を進めやすくなります。
ルール6:改善サイクルを作る
最後に、確認、判断、実行、振り返りのサイクルを作ります。
月次でコストを確認し、見直し候補を整理し、影響を確認したうえで施策を実行します。その後、実際にどの程度効果があったのかを確認し、次回の見直しに活かします。
AWS Cost Optimization Hubのように、コスト最適化の推奨事項を集約し、優先順位付けを支援する機能もあります。こうしたツールを活用しながら、自社の運用ルールに落とし込むことが大切です。
まとめ(編集後記)
AWSコスト最適化を継続するには、一度の削減施策だけでなく、運用ルールが必要です。
月次レビュー、リソース所有者の明確化、タグや命名規則の整備、予算アラートの設定、削減判断基準の作成、改善サイクルの運用を行うことで、AWSコストを継続的に管理しやすくなります。
AWSコストは日々変動します。だからこそ、定期的に確認し、必要に応じて見直せる体制を整えておきましょう。