2025年9月30日、Amazon Elastic Container Service(Amazon ECS)に新たな起動タイプ「ECS マネージドインスタンス」が追加されました。
これにより、従来の「Fargate」「EC2」に加え、3つ目の選択肢が利用可能となります。
この記事では、新しく追加されたECSの起動タイプ「Amazon ECS マネージドインスタンス」について調べたことをまとめております。
1.ECS マネージドインスタンスとは?
「Fargate」のサーバーレスでシンプルな運用性と、「EC2」の柔軟なインスタンス指定を組み合わせた、フルマネージドなコンテナ実行環境です。
AWSがインフラ管理(プロビジョニング・スケーリング・パッチ適用など)を担うため、ユーザーはアプリケーション開発に集中できます。
2.それぞれの起動タイプの特徴
起動タイプ | 特徴 |
EC2 | ・EC2インスタンス(VM)を自分で起動し、ECSクラスターに登録する ・インスタンスのサイズや台数の管理が必要 ・OS設定など細かいカスタマイズが可能 ・EC2の準備があるため起動スピードは遅め ・EC2の料金が課金される |
Fargate | ・サーバー管理不要で、タスクだけ定義すればAWSが裏側のリソースを自動で用意してくれる ・インフラ管理が不要で手軽 ・カスタマイズ性は低め ・起動が速く、コンテナ単位で動作する ・vCPU・メモリに応じた秒単位での従量課金 |
New マネージドインスタンス ●利用可能なリージョン 東京、シンガポール、バージニア北部、オレゴン、 アイルランド、ケープタウン | ・EC2インスタンス(VM)はAWS側が運用する ・OSレベルの細かいカスタマイズが不可能 ・AWS がプロビジョニング、スケーリング、セキュリティパッチ処理、コスト最適化など、インフラストラクチャ管理する ・EC2の料金が課金される ・最大14日後にECSタスクの入れ替えが必要 |
3. Amazon ECS マネージドインスタンスのメリット・デメリット
メリット
①EC2ベースでありながら、インスタンスの起動・スケーリング・パッチ適用などをAWSが自動で行ってくれるため、インフラの管理が不要
②未使用のインスタンスは自動で停止されるため、無駄なリソースを削減することが期待できる。
③要件に応じてインスタンス属性またはタイプを指定できる。
デメリット
①日本では2025年10月時点で東京リージョンのみの機能追加となる。
②最大14日後にECSタスクの入れ替えが必要
AWSでは「Fargate」の利用が要件と合わない場合に「Amazon ECS マネージドインスタンス」の利用を推奨しているようです。
4.検証環境用のクラスターを実際に作成してみた
① コンピューティングキャパシティの取得方法を選択
「Amazon ECS マネージドインスタンス」を利用したい場合は
「Fargate インスタンスとマネージドインスタンス」を選択します。
②「インスタンスプロファイル」と「インフラストラクチャロール」でIAMロールを設定しました。
③「インスタンスの選択」では「ECS デフォルトを使用」と「カスタムを使用」を選択できます。
今回はデフォルトの「ECS デフォルトを使用」を選択しました。
●「ECS デフォルトを使用」
Amazon ECS が保留中のタスクをもとに、最適なインスタンスタイプを自動で選定してくれます。
コストや耐障害性などの観点からバランスの取れた構成が選ばれるため、
細かな設定が不要な場合や、初めて利用する方はこちらがおすすめです。
●「カスタムを使用」
インスタンスの構成を細かく調整したい場合に選択するオプションです。
CPUやメモリなどのリソースをはじめ、さまざまなパラメータを自由に設定できるため、
特定の要件やパフォーマンスにこだわりたいケースに適しています。
④「モニタリングオプション」「暗号化」「タグ」は一旦デフォルトのまま登録しました。
⑤「作成」ボタンでクラスターが簡単に作成することができました。
5.まとめ
ECSの新しい起動タイプである「Amazon ECS マネージドインスタンス」は、
要件に合致するケースにおいて、有効な選択肢として活用できると思いました!
現在は日本では東京リージョンのみとなっておりますので、大阪リージョンでも
使えるようになると嬉しいですね。
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