2025年12月2日から、AWSのサポートプラン構成が更新されました。アップデート内容の紹介だけで終わらせると、「結局どのプランを選べばよいのか」が残りがちです。本記事では、現行プランの違いと選び方の観点を整理し、旧プランからの移行期限もあわせて確認します。
現行の主要な選択肢は、Basic(標準)/Business Support+/Enterprise Support/Unified Operationsです。料金は「最低月額」と「月次AWS利用料に対する段階料率」の大きい方で決まります。
旧Developer / Business / Enterprise On-Rampは2027年1月1日に終了予定です。Enterprise On-Rampは2026年中にEnterprise Supportへ自動移行される案内があります。サポート要件を満たしつつ、請求・支払い方法を見直したい場合は、AWS請求代行もあわせて検討できます。
目次
現行のAWSサポートプランは何がある?
AWS公式ドキュメント上、選べるサポートプランは次のとおりです。
- Basic:全顧客に含まれる標準サポート(アカウント/請求の問い合わせ、クォータ増加など)
- Business Support+
- Enterprise Support
- Unified Operations
有料プランは上位ほど、応答時間・専任支援・予防的な運用支援が厚くなります。下位プランの機能を含みつつ、上位で追加機能が載るイメージです。
| プラン | 向いているイメージ | 重大障害時の目安応答 | 特徴の一例 |
|---|---|---|---|
| Basic | 技術サポート案件がほぼ不要な検証・小規模利用 | (有料プランの技術ケース対象外) | アカウント/請求、ドキュメント、フォーラム等 |
| Business Support+ | 本番運用があり、24時間の技術サポートが必要 | ビジネスクリティカルなシステムダウンで人的対応30分以内(目安) | AI支援、電話/チャット/Web、Trusted Advisorフル、Support API など |
| Enterprise Support | 重要システムが多く、専任TAMや予防的支援が必要 | 本番クリティカルで最大15分(目安) | 専任TAM、Security Incident Response(追加料金なしの案内)、戦略レビュー、Countdown等 |
| Unified Operations | ミッションクリティカル運用をチームで支えたい | 重大インシデントで5分(目安) | TAM+ドメインエンジニア+請求/アカウント専門家など、監視・運用支援が厚い |
応答時間や機能の詳細・対象条件は変更され得ます。最新はAWS公式の比較・料金ページで確認してください。
プラン概要:AWS Support Plans / 発表ブログ:New and enhanced AWS Support plans
Business Support+
- 生成AIによる文脈を踏まえた応答と、必要時のエキスパート接続
- 24時間365日の電話・Web・チャット(言語・機能は環境により制限あり)
- ビジネスクリティカルなシステムダウン時の人的対応が30分以内(公式案内)
- Trusted Advisorの多数チェック、Support API、主要なサードパーティソフトウェア支援など
Enterprise Support
- Business Support+の内容に加え、専任Technical Account Manager(TAM)
- 本番クリティカルケースで最大15分の応答(目安)
- AWS Security Incident Response へのアクセス(追加料金なしの案内)
- 戦略的レビュー、AWS Countdown などイベント支援へのアクセス
Unified Operations
- TAM、ドメインスペシャリストエンジニア、シニア請求・アカウントスペシャリストなど専任チーム
- Countdown Premium の定期サブスクリプション(1回分含む案内)
- 重要ワークロードのレビュー、運用手順の整備支援、24時間監視と早期検知
- 重大障害時の5分応答(目安)など、最上位の運用支援
どのプランを選ぶ?判断の観点
「機能が多いほどよい」ではなく、運用リスクとコストのバランスで選びます。次の観点が実務で使いやすいです。
| 判断観点 | Basic寄り | Business Support+ | Enterprise / Unified |
|---|---|---|---|
| 環境の性質 | 検証中心、本番影響が限定的 | 本番サービスあり | 事業継続に直結する重要システム |
| 障害時に必要な速度 | コミュニティ/自己解決で足りる | 数十分単位の人的対応が必要 | 15分/5分級の対応と専任体制が必要 |
| 相談の深さ | ドキュメント中心 | 設計・運用の技術相談が継続的に必要 | 予防・最適化・イベント支援まで含めた伴走 |
| 組織体制 | 少人数・案件が少ない | 運用チームがありケースを開く頻度がある | 複数部門・大規模運用で窓口と専任が必要 |
実務上の目安としては、次のように整理できます。
- 本番があり技術問い合わせが必要 → まず Business Support+ を検討
- 専任TAM・予防的レビュー・セキュリティインシデント対応の体制が必要 → Enterprise Support
- ミッションクリティカル運用をAWS側チームと一体で回したい → Unified Operations
旧BusinessからBusiness Support+へ移ると、重大障害時の人的対応目安が短縮される、といった利点があります。旧Enterprise On-Ramp利用者は、最低月額の見直しとEnterprise Supportへの移行案内を確認してください。
料金の考え方(最低月額 or 段階料率)
有料サポート料金は、原則として次の大きい方(greater of)です。
- プランごとの最低月額
- その月のAWS利用料(グロス)に対する段階料率の合計
公式料金ページ(2025年12月時点の案内)では、概要は次のとおりです。
| プラン | 最低月額(目安) | 段階料率の概要 |
|---|---|---|
| Business Support+ | アカウントあたり 29 USD | 〜10K:9%/10K〜80K:7%/80K〜250K:5%/250K超:3% |
| Enterprise Support | 5,000 USD | 〜150K:10%/150K〜500K:7%/500K〜1M:5%/1M超:3% |
| Unified Operations | 50,000 USD | 〜1M:10%/1M〜5M:6%/5M超:5% |
単位は月次のAWS charges(USD)。Business Support+はアカウント単位、Enterprise / Unified は対象アカウントの合算利用料ベース、という案内があります。除外サービス・地域別料金・Commitment期間(例:Unifiedは90日)などがあるため、見積もり前に公式料金ページを必ず確認してください。
最新の料率・計算例・除外項目は AWS Support Plan Pricing を参照してください。本記事の数値は公式ページ記載に基づく要約であり、契約条件の最終判断にはなりません。
AWS公式ブログでは、Business Support+の最低月額が従来Businessの最低より約71%低い、Enterprise Supportの最低月額が従来より約67%低い、といった説明もあります(時点・条件は公式発表に依存)。
旧プランとの関係・移行期限
旧プラン(Developer / Business / Enterprise On-Ramp)は、公式の案内どおり 2027年1月1日に終了予定です。それまでは継続利用できる一方、終了前に移行計画を立てる必要があります。
- Developer / Business:終了までに Business Support+ など新プランへ移行を検討
- Enterprise On-Ramp:2026年中、契約更新時または定期バッチで Enterprise Supportへ自動アップグレードされる案内。1か月前にメール通知。原則として追加操作は不要
- 既存の Enterprise Support 利用者は、強化後の機能を利用開始できる案内
GovCloud(US)では旧プランの扱いが異なる旨の注記があるため、該当環境は公式の「end of support」案内を確認してください。
終了・自動移行の詳細は、AWS公式の AWS Support Plans(End of Support Notice)を確認してください。
サポートプランの変更手順(概要)
コンソールUIは更新されるため、ここでは流れのみ示します。最新手順はAWS公式「Change AWS Support Plans」を確認してください。
- AWSマネジメントコンソールにログインし、「サポート」を検索する
- 「サポートプランの管理」(Support plans)を開く
- 希望プラン(例:Business Support+)の利用開始を選択する
- 適用範囲として「組織」(Organizations配下へ一括)または「マイアカウント」(当該アカウントのみ)を選ぶ
- 内容を確認して変更を完了する
- 組織:Organizations利用時、メンバーアカウントへ一括適用できる場合がある
- マイアカウント:特定アカウント単位で適用
権限のあるIAMユーザーでも変更できる場合があります。ルートアカウント運用ルールがある組織は、社内手順に従ってください。
公式サポートを維持しつつ、請求・支払いを見直す
サポートプランの選定と、請求・支払い方法の見直しは別の論点です。サポート要件(応答時間・TAM・ケース運用)を満たしたまま、次を見直したいケースは少なくありません。
- 日本円での請求書払いなど、支払い方法の整理
- 利用料の見え方と社内報告のしやすさ
- 既存アカウント構成やOrganizationsを大きく変えずに請求窓口を整える
当社のAWS請求代行サービスでは、割引だけでなく、公式サポートの継続条件や既存構成への影響も含めて確認できます。サポートプランを上げる/維持する判断と並行して、請求まわりの運用負荷を下げる選択肢として検討してください。切替時の確認項目は、『AWS請求代行 比較チェックシート』でも整理できます。
まとめ
- 現行の主な選択肢は Basic / Business Support+ / Enterprise Support / Unified Operations
- 選び方は「本番の重要度」「必要な応答速度」「専任支援の要否」で整理する
- 料金は最低月額と段階料率の大きい方。具体%は公式pricingで確認する
- 旧Developer / Business / Enterprise On-Rampは2027年1月1日終了予定。On-Rampは2026年中にEnterpriseへ自動移行の案内あり
- サポート要件を満たしつつ請求・支払いを見直すなら、AWS請求代行も検討対象になる
アップデート内容の把握で終わらせず、「自社の運用リスクに対して、どの支援レベルが必要か」から逆算すると、プラン選定がしやすくなります。
FAQ
Business Support+とEnterprise Supportの違いは何ですか?
どちらも本番向けの有料サポートですが、Enterpriseは専任TAM、より短い本番クリティカル応答、Security Incident Responseや戦略レビューなど、伴走・予防の要素が厚くなります。
まずはBusiness Support+で足りるか、専任体制が必要かを基準にすると判断しやすいです。
旧プランはいつまで使えますか?
Developer / Business / Enterprise On-Rampは、AWS公式案内どおり2027年1月1日に終了予定です。
Enterprise On-Rampは2026年中にEnterprise Supportへ自動移行される案内があり、事前にメール通知があります。
サポート料金はどう計算されますか?
原則として、プランの最低月額と、月次AWS利用料に対する段階料率の合計のうち、大きい方が請求されます。
料率帯・除外サービス・アカウント合算の扱いは公式の料金ページで確認してください。